歴史的な低投票率に終わった昨年末の衆議院選挙、前回衆議院選(69.28%)を9.96%も下回る、59.32%(小選挙区)で、戦後最低だった。東日本大震災・原発過酷事故後、はじめての国政選挙だったが、1,000万人以上の人々が棄権し、マスコミによる自民党圧勝報道もあって、無党派層の多くもすでに決まっているからと、投票場に行かなかった。

 自民党は09年衆議院選と比べ、比例で217万票減、小選挙区で166万票減だが、低投票率のため小選挙区でも議席増、小選挙区では何と4割台の得票率で8割の議席を獲得し、大量議席となったのである。自公政権で325議席、維新・みんなの部分連合を含めると「何でもできる」、国会の状況というわけだ。

 そのため、原発再稼働、憲法9条改憲、消費税値上げの3項目だけでも、世論の過半は反対だが、国会の多数派とはすでに「ねじれ」が生じている。
 その原因の一つが、例えば今回東京5区、22区、23区で7割~6割の票が「死に票」となった小選挙区制である。全国の小選挙区で同じような現象があり、投票された5962票のうち議席に結び付かなかった「死に票」は53%にのぼっており、世論と国会の乖離の数字と符合する。
 制度導入時には、小選挙区300、比例選挙区200だった。これを、比例定数の方を削減してきたため、ますます小選挙区による“総取り”現象が高じたのだ。

 自らの世論調査で『勝ち馬』意識をあおる世論誘導を行ってきたマスコミだが、あまりにヒドイ結果だと思ったのか、 「抜本改革に踏み切る必要がある」、「小選挙区・・・の見直し論議に火がつくのは必至」と、批判を行ってはいる。

 見せかけだけの景気浮揚の反面、足元の製造業や若者の雇用対策はお寒い限りだ。非正規雇用化がすすみ、25歳から54歳の男性の非正規雇用者においても10年間で1.35倍に、日本社会の分断が進む。自公政権が雇用政策や格差対策に抜本的なメスを入れるとは思えないが、より良い社会を求めて行動していこう。
 少なくともこれから国会で議論になる比例区定数については減らすべきでなく、これまで削減した20議席をもどし増やすべきと考える。今年8月に任期を迎える参議院選挙においては、少しでも市民主体の国会に近づけたいものだ。

衆議院比例区(目黒区) 衆議院小選挙区(目黒区) 東京都知事選(目黒区)
自由民主党 34,719 若宮けんじ≪自由民主党≫(自民) 40,983 猪瀬直樹 89,790
日本維新の会 27,041 手塚よしお(民主党)(民主) 30,792 宇都宮けんじ 20,830
民主党 22,359 みたに英弘(みんな) 22,636 松沢しげふみ 14,261
みんなの党 18,864 渡辺徹(維新) 21,303 笹川たかし 2,708
日本未来の党 10,147 まるこ安子(未来) 9,292 中松義郎 2,688
公明党 9,345 三浦岩男(共産) 8,242 マック赤坂 824
日本共産党 8,413     トクマ 813
社会民主党 2,733        
新党改革 2,133        
幸福実現党 306