衆院政治倫理審査会が3月18日に開催され、自民党の裏金問題のキーパーソンとされる下村博文衆院議員に対して寺田学衆院議員が質疑を行いました。

 冒頭、寺田議員は「国民が求めている真相解明に向けて正直に話してほしい。期待している」と下村議員に求めました。

 寺田議員は下村議員が発言して明らかになった8月の会合について、「今までの政倫審の中で発言が食い違った。塩谷議員は緩やかな中で(還付の)復活が決まっていった。世耕議員、西村議員はそこでは決まらなかったと発言している」と各議員の発言の齟齬を指摘しました。

 下村議員は、8月の会合について「還付を継続するか否かが中心ではなく、安倍会長亡き後の今後の運営の仕方等の対応が中心だった。5月に清和研のパーティーがあり、4月には全員に還付を止めると連絡したにも関わらず、既にチケットを売っていた方がいたと思うが、8月の会合は還付を止めるとの前提の議論」「8月の会合で還付を継続すると決めたことはまったくない」と述べました。

 寺田議員は、世耕議員の参院政倫審での発言について、参院の派閥会長を8年務め、5人衆の1人だった幹部が「選挙のキックバックがいつから始めたのかは何もわからない。いつだれかも分からない」等「信じがたい発言がたくさんあった」と疑問を呈しました。これに対して下村議員は「参議院のことは全く承知していない」と述べました。

 安倍会長が決めた還付を止めるという判断が「いつ覆ったのか」「誰が決めたか分からない」等についても、下村議員は「知らない」と答えるだけでした。

 関与が指摘されている森元首相について、寺田議員は「大きな影響力を持っていた」と指摘しましたが、下村議員は「知らない」と答えました。

 寺田議員は「相当苦労して政倫審を開いているが、残念ながら出席される議員に真実を解く力がない」と批判しました。