枝野代表、苫前町視察後に取材に応じる

 枝野幸男代表は2日夕、訪問先の北海道苫前町で記者団の取材に応じました。主な質疑応答は次のとおりです。

【住民投票】
記者)いわゆる大阪都構想の住民投票について代表の受け止めは。
枝野)大阪市廃止構想について住民の皆さんの2度にわたる明確な意思が確定したわけですので、その住民の意思に従って、しっかりと今の制度の下で大阪の自治が発展していくことを期待をしたい。
記者)コロナ禍で行われた住民投票ということについてどう思うか。
枝野)5年前に1度否決をされて2度目ということで同じ結果が出た。それをこのコロナ禍で行政も政治も非常に対応に追われている状況で進めたということについては、それはさまざまな批判があってしかるべきだというふうに思っている。
記者)松井代表の引退表明については。
枝野)政治家の出処進退はご本人の判断すること。

【風力発電、自然エネルギー】
記者)風力発電の発電所を視察されたが、自然エネルギー立国を掲げている中で実際に現場を見てどのように感じたか。
枝野)苫前の風力発電所は、風力発電所がFITによって拡大するよりもだいぶ前から先行して先進的な援助をしていた。その風車のリプレイスが非常にうまく行って、新しいものに代わって、しかもこの間の技術革新の成果として非常に高性能であるということが期待されている。非常に前向きな状況であるということを実感した。その一方で、やはり送電網が整備されていないということが更なる拡大の阻害要因であるということが改めて現地で痛感した。やはり自然エネルギーを拡大していくためには、とくに北海道の北部地域は風力発電の適地、それから住民の皆さんの理解も得やすいという状況の中にあるので、これは国策として送電網を強化する必要があるというふうに思う。
記者)町民への還元を検討中というような話もあったが、党としてエネルギー政策をどのようにしていきたいか。
枝野)とにかく自然エネルギーに対するポテンシャル、つまり意欲と可能性は非常に大きいと。それを阻害しているのは送電網が十分でないということに尽きると私は思っている。とくに苫前のように人口減少、1次産業が基軸という地域が送電網さえ国の責任で整備をすれば新たな地域のベースになる、収入源が得られるということなので、やはりこのことは、いわゆる地方の活性化、都市一局集中を変えていくためにも、当然脱炭素社会にも必要なことであるが、大変重要だと改めて感じている。
記者)今日、菅首相は予算委員会でも2050年の脱炭素社会の実現ということを繰り返して言っている。今後の論戦の中でどのように与党との対立軸としていくのか。
枝野)一方で、結局原発を増やすという方向性をさらに明確にしてきているというふうに報告を受けている。原発を増やして脱炭素をはかるというのは2011年よりも前の時代遅れ。もう通用しないことを今さら10年遅れで言っている、ということを明らかにしていきたい。

【衆院選に向けて】
記者)全国の選挙区について聞きたいが、今回苫前を訪れた理由として前回の衆院選で留萌地方はかなり大きく差を空けられたというような話をされたが、本部として力を入れたいか。
枝野)そこは党本部としての立場というようりも神谷さん、あるいは10区総支部とのご相談の中で1つは選挙に向けて支持の輪を広げていきたいということ。もう1つは、とくに苫前に来させていただいのは、水産業、酪農、農業といずれも、大規模ではないけれど非常に先端的な努力をされいる、けれども苦労をしている。やはりこうした状況をちゃんと、党全体、国全体として共有しなければならない、この問題意識が大きかったというふうに受け止めている。
記者)10区は前回かなり接戦だった。次も一騎打ちとの予想だが党としてはどのようにこの選挙区を見ているか。
枝野)当然のことながら、前回競ったところは小選挙区で必ず勝ち抜く、この北海道10区に限らず。本人もそう思っていただいているだろうし、私もそう思っている。
記者)どう戦うか。
枝野)地域の事情に合わせて地道な活動を粘り強くやる以外にない。
記者)留萌地方の住民に伝えたいことは。
枝野)これまでの日本の30年ほどの政治は結局、地域を元気にすることはできなかった、ともう結論は出ている。家族経営の1次産業であるとか、分散型のエネルギーとか、新しい発想で地域をしっかりと支えて行くという、そういう方向が我々のめざす社会であり、まさに我々のやりたいことが求められているのがこの地域だと、今日お伺いをして確信したところだ。

【予算委員会】
記者)予算委員会で、野党側の質問に対して菅総理が十分に答えていないような場面やかみ合っていない場面が、とくに学術会議の問題で目立った。総理の答弁を求めているのに加藤官房長官が答えるような場面が目立ったが、受け止めは。
枝野)メディアの方がそのように受け止めていらっしゃるならば、メディアの認識あるいは社説などでそのことをきちっと報じる。それが私はメディアの責任だと思う。
記者)4日の質問に向けての意気込み、質問・追及したいことは。
枝野)今日のやり取りを全部、議事録を見たうえで最終的に判断したい。
記者)改めて4日の意気込みは。
枝野)あまり肩に力を入れて行うものではないと思っている。淡々と、いま問わなければいけないこと、或いは総理が答えていないことを聞いていきたい。

 

https://cdp-japan.jp/news/20201102_0174

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