ワクチン3、4回目接種の効果等について宮坂教授は、公益財団法人・東京都医学総合研究所(東京都医学研:小原道法博士データ)の資料に基づき、「新型コロナワクチンの3回目接種による中和抗体上昇効果は、すべての年代で見られ、7カ月以上持続する。4回目接種をすると、高齢者においても中和抗体価が大きく上昇し、3回目接種を上回る効果が期待される」「(オミクロン株の新系統)BA.5は非常に免疫回避性が強いので、抗体ができにくく、抗体が効きにくい。2回接種では防げず、3回、4回接種でかろうじて防御できるか、ぐらいの状況。まずは、若い世代での3回接種を進めることが大事。4回接種も大事。高齢者のみならず、医療従事者、希望者にも行うべき」と説明。イスラエルをはじめヨーロッパ諸国では、国民の7、8割がすでに感染し、ワクチンを打ち、ハイブリット免疫を持っているとして、国民の1、2割しか感染していない日本とは違うとして、「世代を問わず希望者には打たせる方がいい」と強調しました。
第7波における在宅医療現場について田代先生は、自身のクリニックでは日々の定期訪問の間に可能な限りコロナの対応をし、COVID-19症例の往診件数は1日2、3件程度だと述べ、「合併症の増悪であっても受診、搬送調整がつかない事例が頻発。急性期医療機関による後ろ盾がない患者が地域にあふれている」と深刻な状況を報告。「検査に伴う発生届の提出の負担が大きい。目的化した発生届が患者トリアージの足かせになっている」として、必要に応じて現場の医師が入院調整依頼書を発行できるようなシステムへの変更を求めました。最近は陰性証明のための検査を求める声も多く、負担増だとも指摘。不顕性感染のスクリーニングに感度の低い抗原検査がどの程度役に立つのかと提起しました。
また、政府が「行動制限は考えていない」と繰り返し発言する一方、感染者が拡大し乗務員を確保できずバスが運休になっていることなどを例に、「必然的に行動制限が始まっていることを虚しさをもって見ている」と話しました。