共同会派「立国社」の厚生労働部会は17日夕方、厚労省に、障がい者の工賃を守るための「障害者就労給付金(仮称)」創設の要望書を提出しました。申し入れには、石橋通宏厚労副部会長、山花郁夫障がい者PT座長、山井和則、早稲田夕季、池田真紀各衆院議員が参加、橋本岳厚労副大臣に要望書(下記PDF参照)を手交しました。
今回の要望は、今般の新型コロナ禍で地域の祭りやイベントが軒並み中止され、障がい者の就労支援施設(生産活動を実施する生活介護事業所、地域活動支援センター等を含む)で製作した物品を販売する機会がほとんど消滅してしまい、売上げが激減し、工賃や賞与も減少していることに鑑み、障がい者の減収補償として「障害者就労給付金(仮称)」を創設するよう求めるものです。この給付金の概要は、令和2年4月から9月までの間について、前年同月と比べて生産活動収入が減少した障害者の就労支援施設に対し、当該減少分を「障害者就労給付金」として支給し、当該給付金は施設から利用者に対し工賃として支払う、というものです。
政府は、第2次補正予算における「生産活動活性化支援事業」により、就労継続支援事業所を支援し、生産活動の存続を下支えすることを通じ、利用者の工賃の確保を図るとしていますが、事業の対象は限られており、予算規模も小さいため、障がい者の工賃補償にはなっていません。この状況を見かねて、就労継続支援B型事業所における障害者の工賃支援を独自に実施する自治体も出てきていますが、こうした支援は、本来国が実施すべきものです。要望書では、予備費10兆円を活用し、早急に対応するよう国に求めています。
要望書手交後のぶら下がりで石橋議員は、「根源的には、そもそも工賃が低いという問題、B型作業所の場合は働いておられるにもかかわらず雇用関係がなく、労働者として認められていないという問題がある。この問題が社会的に認知され、制度的に守られるよう、われわれも頑張っていきたい」と抱負を述べました。