立憲民主党は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部と会派の厚生労働部会・文部科学部会の合同会議を国会内で開催しました。
冒頭のあいさつで逢󠄀坂誠二対策本部長は、政府の新型コロナウイルス感染症の中等症患者の一部を原則自宅療養とする方針について「私の地元でも本当に驚きの声が上がっている。政府は国民の命を救うという役割を放棄したのかという声が聞かれる」と話しました。専門家が前々から感染者数が激増すると繰り返し指摘しており、「命の選択、助かる命も助からないような状況が起こり得ると知っていながら、なぜ今まで対策を講じてこなかったのか」と政府の責任の欠如を批判しました。また、政府が同日まん延防止等重点措置を新たに8県に広げようとしていることに触れ「個別地域を五月雨式に指定していくのでいいのか。考え方を変える必要があるとすら思っている」と述べました。
長妻昭厚生労働部会長は、政府の中等症の療養に関する方針は極めて問題であり、菅総理は方針の撤回を拒否したが、やはり撤回すべきだとの考えを示しました。医療提供体制がひっ迫する中、「喫緊の課題として広域入院調整をしっかりやっていくこと。近隣県でまだ余裕のある県での受け入れをお願いしていくこと」を提起しました。
政府から、(1)緊急事態宣言の延長・対象拡大及びまん延防止等重点措置の新たな適用と基本的対処方針の変更(2)全国の感染状況と感染防止対策(3)東京オリパラ大会の感染防止対策(4)新型コロナウイルス感染症中等症患者の療養・治療体制――等について説明を受け、質疑応答をおこないました。
出席者からオリパラ大会の感染症対策については(1)ホテルではどこでも飲み物が買えるので、飲み物の買い出しはコンビニへの外出を許可する理由にならない(2)例外を認め、感染対策が規定どおりおこなわれないままオリンピックが終わってしまう(3)大会関係者らがプレーブックに反し、選手村の外のレストランや観光地に出かけ、それを組織委員会が黙認していると報じられているが事実か(4)前回の会議で提示したMOC会議のメールの真贋(5)ボランティアへの検査を漏れなくおこなっているのか、スクリーニングを受けていない人を把握しているのか――等の質問、意見があがりました。
中等症の入院方針変更については、(1)3日夜の総理の発言、大臣の委員会答弁により入院の基準がさらに混乱したので、やはりいったん方針を撤回すべきだ(2)今回の方針変更により自宅療養になるのは中等症の半数を超えるか。半分を超えるのであれば大臣が本日参院厚労委員会で答弁した「中等症は原則入院」と矛盾する(3)総理は方針を全国一律に適用しないと発言したが、方針の対象地域はどこか。基準はあるのか(4)重症化リスクが高いかどうかをどのように判断するのか(5)入院するかどうかの判断の要素は病状だけか。病床の空き状況も判断材料になるのか(6)医療用酸素の機材は足りているとしても、それを取り扱う医師・看護師の確保、輸送など提供体制が整っているのか。国は各自治体の状況を把握しているのか(7)入院していない患者に「抗体カクテル療法」をどのように提供するのか(8)自衛隊の生活支援出動の必要性について防衛省・自衛隊と協議すべきではないか(9)宿泊療養施設の確保が遅れているのはなぜか。オリパラ関係で使用しているから確保が難しいのか。オリパラ関係で予約していても使用していない客室などを融通し、療養用に場所を捻出できないか――等の質問、意見があがりました。
長妻部会長は、中等症の患者を入院させるかどうかは誰が判断するのかを問い、厚生労働省は「医師の診断を受け都道府県、政令指定都市、特別区の首長が判断することになる」と回答しました。また患者が重症化するかどうかの判断は非常に重大なので、電話だけでなく、医師による往診、面談を必ず受けられるようにすべきだと求めました。
党コロナ本部・会派厚労・文科合同会議_次第.pdf
210805(長妻議員、山井議員資料).pdf
内閣官房0805基本的対処方針分科会資料2.pdf
内閣官房回答0803政府対策本部資料.pdf
内閣官房回答0804厚労省ADB資料3.pdf
(オリパラ事務局)【議題3.説明資料】210805立民合同部会.pdf
(オリパラ事務局)【議題3.添付資料①】210805立民合同部会.pdf
(オリパラ事務局)【議題3.添付資料②】210805立民合同部会.pdf
警察庁回答(宿題1-②).pdf
警察庁回答(宿題2-⑪).pdf
厚労省回答議題1 (1).pdf
厚労省回答議題1 (2).pdf
厚労省回答議題3 (1).pdf
厚労省回答議題3 (2).pdf