衆院議院運営委員会は5日、新型コロナウイルスの感染状況が悪化していることを受け、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を「まん延防止等重点措置」の適用地域に追加する政府報告に対する質疑をおこないました。立憲民主党からは小川淳也議員が、新型コロナウイルスに感染した立場から政府の入院を制限する方針について質疑しました。

 小川議員は冒頭、新型コロナウイルス感染症の中等症患者の入院を制限する政府の方針は「不適切だ」と強く撤回を求めました。西村康稔担当大臣は「今回の方針は、必要な方が必要な医療を受けるための体制をつくっていく。そのために症状に応じて必要な医療を提供するためのあり方の見直し」と説明し、撤回を明言しませんでした。
 これに対し小川議員は、「感染症法はそんなことは予定していない。前提として、なんでこの重要な議論の場に総理大臣は不在なのか」と菅総理が答弁に立たないことに疑問を突きつけました。さらに「国会を閉じている場合ではない」と早期に臨時国会を開くことを求めました。

 また、小川議員は、昨年秋に自身が新型コロナウイルス感染症に感染した事に触れながら、「私は軽症だったが、とても自宅で一人でいられなかった。(新型コロナウイルス感染症は)2類感染症相当ですから入院は前提ですよね。これは感染症法に違反するのではないかと思います。症状ならまだしも、地域差でこの入院対策の差を容認する法的根拠は何か」と迫りました。西村大臣は、「詳細は厚生労働省へ」と逃げの答弁をしつつ、「現場の厳しさは増している。非常に厳しい状況になると認識している」と明確な法的根拠を示しませんでした。
 次に小川議員は、全国に緊急事態宣言を発令することについてどう考えているのか政府の見解をただしました。西村大臣は、各知事と連携しながら分析を進めているとし、「主権の制約を伴う中で、秋田、山口など非常に感染を抑える県もあり、知事会でも反対の意見があったと今日も表明あったし反発もあったと聞いている」と状況を説明しました。

 最後に小川議員は、緊急事態宣言の対象地域が拡大する中、なぜ支援を打ち切るのか、支援を打ち切る中、なぜ30兆円の予算を余らせるのかを質問。さらに水際対策がずさんで、検査の拡大は不徹底な状況を指摘し、「この感染爆発の責任は私は国民にはないと思う、政府にあるということでいいですね」と迫りました。西村大臣は「支援についてはまさに足元の緊急事態宣言による影響に目配りしながら、機動的に対応していきたい」「水際対策については専門家の意見を聞きながら、例えば今も五輪の選手は85%がワクチンを打ってきていると聞いているが、14日間毎日検査し、もちろん入国前も検査を求めているし、そうした対応を全力をあげて水際で防ぐ取り組みを強化しているところ」等と答弁し、政府の責任には触れませんでした。

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