衆院国土交通委員会で23日、閉会中審査が開催され、同委員会野党筆頭理事の小宮山泰子衆院議員が質問に立ちました。
小宮山議員は冒頭、COVID-19への対応として医療を崩壊させないことを全ての対応の前提となるとの認識を示しました。医療関係団体が21日に全国の医療提供体制がひっ迫しているとして、「医療緊急事態宣言」を発表し、移動の制限などを求めたことに触れ、旅行関連事業者、公共交通・運輸事業者を所管する国土交通省としてはどのように対応するのか赤羽一嘉国土交通大臣をただしました。赤羽大臣は、都道府県知事や政府の分科会の専門家の意見を聞きながら政府としてGoToトラベルを一時停止することにした経緯を説明し、今後も適時適切に対応したいと答弁しました。
小宮山議員は、立憲民主党が15日にGoToトラベル停止措置に伴う関係事業者への経済的支援に万全を期すよう求める要望書を国交大臣に提出したことを紹介したうえで、公共交通機関従事者への直接支援、期限が来年2月でとなっている雇用調整助成金特例措置の延長を求めました。国交大臣は、本年度第3次補正予算と令和3年度予算で直接支援の費用を計上しており、雇用調整助成金については必要があれば延長を要求する方向で考えいたいと答弁しました。小宮山議員は、感染拡大の先行きが見えない中、細切れでなく、しっかりとした支援が必要だと訴えました。
また、家賃支援給付金について、給付実績が想定より少ない中で、家賃への補助を求める声が大きいと紹介し、給付の要件緩和や期間延長を求めました。中小企業庁からは、申請の対象は来年1月15日までとなっているが、特定の事情があり申請書類が揃わない場合は1月末まで受け付けることになっているとの説明がありました。
次に、医療機関や高齢者施設で働くエッセンシャルワーカーの方々は、自宅から通勤することになり家族から感染したり、家族に感染させてしまうことに不安をおぼえているとし、そうした方々が感染防止のために宿泊施設やアパート等を利用できる制度を準備すべきではないかと提案しました。
さらに、安心して移動、活動するためには検査の積極的実施が必要だと述べ、日本では人口当たりの検査数が少ないことを指摘しました。来年の成人式で参加者に抗原検査を求めることになった自治体があることを紹介し、GoToトラベルは当初の発想どおり、感染が収束してから実施すべきだとの認識を改めて表明しました。そのため、GoToトラベルの期間延長、予算積み増しに使う費用をPCR検査の実施拡大、抗原検査キットの提供拡大などの使途に変えて、ここはGoToトラベルのいったん停止・中止を決断すべきだと主張しました。これに対し国交大臣は、地方の意見を聞きながら、感染防止をしっかりしながら、経済社会活動との両立をはかっていきたいと述べるにとどまりました。
小宮山議員は、「そろそろ発想の転換が必要ではないかと思う。検査により無症状の方に感染していることに気付いていただいて、それ以上広げないようにすることが感染防止への近道だ」と主張して質問を終わりました。
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