福山哲郎幹事長は16日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)内閣不信任決議案提出(2)国会会期延長(3)時限的な消費税減税――等について発言しました。

 福山幹事長は冒頭発言で、立憲民主党など野党4党が衆院に提出した内閣不信任決議案をめぐり、自民党の二階幹事長がこれまで再三にわたり「不信任決議案が出れば解散」と発言していたことに言及。「われわれは解散に抵抗も恐れもしていなかった。われわれはいつでも解散に打って出られたら、受けて立つつもりで不信任案を出した。新聞報道にあるように『解散を恐れ』といった気持ちは、枝野代表も私も一切なかった。逆に、なぜ二階幹事長の言っていた解散の話が立ち消えになったのか、まったく理由が分からない。ひるんだのは自民党側ではないかと言わざるを得ない」と断じました。

 会期延長を強く求めてながら閉会となったことには、「国会を閉じたことは極めて遺憾で残念だ」と発言。「われわれは、国民の命と暮らしを守るために国会を延長すべきだと申し上げていた。3カ月の延長は、パラリンピックが閉会する時期を見据えたもの。海外から多くの人が入ってくるなか、日本の感染状況も下げ止まっている状況で、いつリバウンドが起こるか分からない。そうしたなかで国会を閉じていいのかという問題意識があった」と述べました。特に、菅総理が野党議員だった2011年の通常国会で民主党政権に会期延長を迫ったことに触れ、「われわれはそのとき、70日間の延長を決めた。今まさにコロナで危機にあり、10年前の東日本大震災と似たような状況。自分が総理になったら野党の要求に一顧だにしない姿勢は非常に残念だ」と、菅総理の姿勢を批判。閉会後の対応については、「閉中審査も強く求めていきたい。課題別のヒアリングなど参院の仲間を中心におこない、政府へのチェック機能を果たしていきたい」と力を込めました。

 枝野代表が、内閣不信任決議案のなかで表明した、時限的な消費税減税について、「選挙公約ではない」と発言したことの真意を問われると、福山幹事長は「われわれが(次期衆院選挙で)政権をとっても、参院はねじれている(自民党が過半数をもっている)ので、法案が否決される可能性がある。足元の対策としては所得減税や、低所得者の方の現金給付はできるが、消費税減税は法律が通らないとできない。選挙公約にすると、足下で実現不可能になる可能性が高いので、『選挙公約にできない』と言ったのだと思う」と解説。「今回の衆院選挙は、リアリティーが大きな要素だと思っている。野党とは言いながら、官房長官を経験した枝野代表が政権を担おうとしているわけであり、単に有権者が喜ぶような、スローガン的な政権公約を掲げて戦うのではなく、実現可能性まで説明をしながらリアリティーを持って新政権を作りたいというのが、枝野代表の思いだと思う。若干分かりにくい部分があるかもしれないが、リアリティーの話として受け止めていただけるとありがたい」と述べました。

 政治とカネの問題については、「前代未聞のひどい状況だった」との認識を示し、西川公也元農林水産大臣、河井克行前法務大臣、河合案里元参院議員、菅原一秀元経済産業大臣、秋元司衆院議員と、当該議員が一切国会で説明しなかったことを「きわめて遺憾」だと指摘。今国会での成立を目指していた、当選無効になった国会議員に歳費を返還させる歳費返納法案については、あらためて次の国会での成立を目指す考えを示しました。

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