福山哲郎幹事長は25日夜、同日投開票の衆院北海道2区、参院長野県選挙区の補欠選挙、及び参院広島県選挙区の再選挙の3つの選挙とも立憲民主党が公認、推薦した候補者が当選確実となったことを受け、党本部別館で記者団の取材に応じ、次のとおりコメントしました。
3つの選挙全てで勝利したことは率直に言って大変うれしく思っています。有権者の皆さまに心から感謝を申し上げたいと思っています。この半年間の菅内閣への極めて厳しい有権者の審判が下されたと考えます。特に政治と金をはじめとする不祥事の数々、そして3度の緊急事態宣言に至った後手後手の新型コロナ感染症の対応に国民の不信感が募ったことがこの結果につながったと考えます。3つの選挙区の有権者に力強いご支援をいただいたこと、改めて心から御礼を申し上げたいと思います。本当に有難うございます。
また全国から、SNS等を通じて本当に多くの皆さんにこの3選挙区の選挙に力添えをいただきました。このことにも感謝を申し上げたいと思います。また、この3つの選挙区では、野党が候補者を一本化して戦いました。力強いご支援をいただいた各政党の皆さま、そして連合の皆さま、そして市民の皆さまにも心から感謝を申し上げたいと思います。野党が連携をして一本化をして戦うことが一定の評価につながったと感じています。
来たるべき総選挙においては、この3つの選挙においていただいた有権者の皆さんのご期待を裏切ることがないように、さらにわれわれは、コロナ対策をはじめとして、しっかりと国会での対応、日常の運動をしていきたいと考えています。
また、各政党とは来たるべき総選挙に向けて一本化した戦いをどのように展開をしていくのか、改めて話し合いを始めて行きたいと考えています。この勝利に関する感謝は忘れませんが、一方でコロナの感染が広がっています。強い危機感を持って国会で改めて菅内閣にコロナの対応等について迫って行き、われわれの考えをしっかりと反映をさせていきたい。そして、コロナの感染防止、事業者の救済、個人の支援につなげていきたいと考えています。
質疑応答の概要は次のとおりです。
Q:3つの選挙で勝利したが、次期衆院選への弾みになったと思うが、園あたりの影響の受け止めは。
幹事長)まずはこの3つの選挙区で勝ち切ることが当面の目標でしたので、大変安堵している。また、期待の大きさを痛感している。だからこそ次の選挙についても、われわれとしてはこれを弾みとして、また勢いをもって国民の皆さんのご期待に応えるような準備をして行かなければいけない。改めて決意をしているところでございます。
Q:今回の3つの選挙では、とくに長野補選の政策協定で他党と書きぶりについて課題があったと思うが、今後の選挙で野党共闘をどうしていくのか。これから話し合いたいということだが、次期衆院選挙での一本化の目標について伺いたい。
幹事長)まずは3選挙区で一本化をした上で、戦えたということはわれわれにとって非常に大きな経験であったと思いますし、先程申し上げたように、有権者からは一定の評価をいただいたと思っています。また各政党との関係は歴史的な経緯とか、地域の事情とか、いろいろな形があってしかるべきだと考えておりますので、そのことについては、各政党とどういった形の連携がとれるのか、話し合いを選挙に向けて始めたいと思います。
Q:次の衆院広島3区は河井克行氏の政治と金の問題で揺れ動き、注目区となります。今回の参院選がどう影響するか、また立憲民主党の新人を擁立されているが、意気込みと今後の見通しは。
幹事長)政治と金については、今回広島の有権者から自民党に対して非常に厳しい審判が下されたと言わざるを得ないと思います。われわれは宮口はるこさんを当選をさせていただいた。まずは、ご期待に応えられるような国会活動を一生懸命やっていただきたいと考えていますし、われわれとしては心から、宮口さんが国会に来るのを歓迎したいと思っています。衆院の選挙は3区だけでなくて、広島全域で宮口はるこさんにご支援をいただいた多くの有権者の皆さんのご期待にそえるような活動をすることによって、それはひいては3区の選挙にも影響してくると考えますので、3区にこだわらず広島全域でさらに有権者の皆さんにご期待いただけるよう活動を進めて行きたいと考えています。
Q:広島3区では議席を確実に取るということか。
幹事長)われわれとしては、候補者を擁立している選挙区は、どこが特別ということはありません。全部の選挙区で必勝をめざしていますので、3区は政治と金の問題が大きなテーマにまたなる可能性が高いので、そのことについては強く訴えて行きたいと思います。また、広島の全選挙区で擁立をしている候補者全員の当選を目指すのは、われわれとしては政党として当然のことだと思っています。
Q:今回3選挙とも野党が勝利しているが、勝因は与党への批判票なのか、あるいは野党への期待が高まっていると言えるのか、評価、分析を聞かせてほしい。また、それを踏まえて衆院選にどう臨むか。
幹事長)先程申し上げましたように、政治と金をはじめとした不祥事の数々が続いたことに対する、自民党に対しておかしいという有権者の声は全般的に広がっていたと思います。また、コロナの対応において、3度目の緊急事態宣言が出される中で、後手後手の対応や事業者、また個人への生活支援等も含めて、菅内閣に対する不信が広がっていたことも事実だと思います。また一方で、先の国会からの、われわれのコロナ対応に対する政策、提案、いろいろな形の、雇用調整助成金や休業支援金や、さらには検査を拡充して欲しいといった具体的な提案、われわれがやってきた国会活動、それから不祥事に対して国会としての監視機能、野党としてやってきたことに対しても、有権者の評価をいただいた結果だと思います。その両方が相まってこのような形の結果になったと思います。加えて申し上げれば、先程申し上げたように、野党が候補者を一本化して戦った。このことが有権者にとっては与野党の対決構図という形でが見えやすい選挙の形になったということも、選択肢として選んでいただけた要因ではないかなと思っています。今後の衆院選に向けては、小選挙区制度ですので、やはり野党の候補者をが1本化することは大事な要素だとは思います。一方で、政党それぞれの考え方がありますので、そのことは話し合う中で、出来るだけわれわれは議席を増やしていけるように、野党の議席を増やしていけるようにということを含めて考えて行きたいと思います。
Q:今回3勝ということだが、この結果が内閣不信任案の提出についてどのような影響を与えるか。
幹事長)内閣不信任案の提出については、いろいろな政治的状況、コロナの感染拡大の状況も含めて総合的に判断をしなければいけないので、もちろんこの3つの選挙区の結果というのは一定の材料になると思いますが、それだけでものが決まるわけではありませんし、やはりコロナの感染拡大がどのような状況かということについては、われわれの政局的な動きよりも優先しなければいけないと思います。この3つの選挙の結果というのは1つの要素に過ぎないと思います。やはりコロナの感染拡大を防止するということが、いま与野党を越えて政治に求められることだと私は考えています。
Q:長野選挙区での告示前の混乱だが、私は長野選挙区に2回行き、共産党の人がこれまでの経緯で「雄一郎さんありがとう」というプラカードを掲げているのを見ました。今回の件が衆院、あるいは長野県以外といったところにどう影響があるのか。現時点でのリードを見ると、国民民主党の推薦が仮になくても勝敗は変わらなかったかもしれないが、いかがか。
幹事長)一本化する戦いというのは、それぞれの政党がいろいろな事情を乗り越えて戦っていただくことに意味があるので、今言われたような、国民民主党の推薦があっても、なかったとしてもという、今言われた考え方、われわれは考えておりません。また、先程申し上げたように、それぞれの選挙区において、歴史的な経緯、それからそれぞれの政党の事情等がありますので、一概に野党の連携のあり方というのは、統一的にものができるわけではないと考えています。ですから、今回の長野の問題も歴史的経緯の中で、亡き雄一郎さんに対しての信頼関係があったということは今、ご指摘のとおりだと思います。ですから私は、一律に何かを決めるという形は、あまりこの野党の連携については適切だというふうに思っておりませんので、一つひとつ丁寧にやっていくしかないと思っています。
Q:北海道2区では、長野や広島と違って自民党が候補者を立てない中での選挙だったが、改めて受け止めを伺う。
幹事長)松木さんという、本当に経験豊かな候補者が、今回この補欠選挙で勝ち上がっていただいたので、われわれとしては、このことも国会として心から歓迎したいと思います。さっそく即戦力で働いていただけるものだと考えています。また、北海道の選挙に関しては連合はもちろんですが、市民の大きな協力、ご支援の中で野党の連携がうまく機能したということもあると思いますので、そこに松木さんのかねてよりの支援者がより大きな輪をつくっていただいたということで、非常にいい戦いができたのではないかと思います。自民党は、前代未聞の大臣の贈収賄ということですから、候補者が立てられなかったということは、それは自民党の責任なのだと思う。われわれはそのことは、何ら言及することはないと考えています。とにかく松木さんという経験豊富な議員が一人、われわれの仲間に加わっていただいたことに、今回有権者の皆さんに心から感謝申し上げたいと思います。
Q:今後、国会において衆院選に向けて対決姿勢がより高まっていくのではないかと思う。今回の3選挙ではコロナの問題に有権者の関心があったと思うが、そうしたことを受けて、今後通常国会でどのように政権と対峙していくのか。
幹事長)まずは、この緊急事態宣言が発令される中で、事業者等への支援について、まだ具体的ではない面が多々あります。そして、今回の緊急事態宣言において、改めて規制を強化した部分が1月の緊急事態宣言から異なっている部分もたくさんあります。どのような形の支援措置をするかについては、具体的に見えていない点がありますので、こういったことについては強く政府に追及をしていかなければいけないと思います。
街中の声を聞くと、この3度目の緊急事態宣言については、かなり国民も辟易としている。そして先の見通しがないことに対し、非常に不安の気持ちがより大きくなっていると感じますので、そういった具体的な内容について、われわれ自身が国会で求めていくのは当然のことだと思います。またワクチンの量の確保、接種体制についても、いろいろなところで混乱が起こっています。それから一番大事な感染拡大している地域での医療体制のひっ迫も具体的に問題が多々出てきていると思いますので、こういった現場の声をわれわれは、まず、国会の中でしっかりと菅内閣にぶつけて行く。そして、具体的な内容で答えを示していただかなければいけないと思います。今までのようにあいまいであったり、過去のコロナ対応について、まずかった点、良かった点等の検証が全くないまま、今のような状況でコロナの対応が進むことに、われわれは非常に違和感を感じています。また(緊急事態宣言が)5月11日までの期限というのも一体何を根拠にその期限なのか。そしてオリンピックもあるということで、総合的な面で国会で、今回の3つの補欠選挙・再選挙で有権者からいただいたご期待をしっかりと受け止めて、菅内閣にあたって行きたいと思います。予算委員会も日程が協議されていると聞いておりますし、法案の審議もまだまだ残っていますので、きっちり国会論戦を挑んでいきたいと思います。
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