泉健太政務調査会長は8日、国会内で立憲民主党が新型コロナウイルス感染症対策についてとりまとめた、総額33兆円の補正予算案を発表しました。

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 泉政調会長は補正予算について「政府の新型コロナウイルス対策が非常に不十分で、感染が長期化してしまっており、それを克服する必要があるということ。そして、緊急事態宣言が延長されているのであれば、当然追加の支援策が必要なところ、きわめて残念ながら菅総理と公明党の山口代表が会談をして、補正予算を組まない、国会も延長をしないという判断に至ってしまった。これは国民の命を守るために、また今後変異株の感染等々、何が起こるか分からない、そしてオリンピックの開催をそのまま進めていくということであれば、当然さまざまなことを想定しなければいけないわけだが、そういった中で国会を閉じるということは問題だと考えている。われわれとしては、国会の会期が終了すると秋まで補正予算が組めないおそれがある。だからこそ、国会の会期を延長して補正予算の編成にただちに着手すべきという考えから、われわれとしての提案を申し上げる」と語りました。

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立憲民主党補正予算の主な項目と予算額.pdf

 補正予算案は感染長期化を克服するために総額33兆円(真水)規模。泉政調会長は内容について次のように説明しました。

1.いのちを守る 9兆円

 医療体制の支援ということで、病床の確保、医療機関の減収補填、ワクチン接種の加速化等があるが、今回とくに訴えたいのが入国管理の厳格化。入国管理の厳格化の予算規模は少ないが、10日間の施設滞在と3回検査を実施することを徹底させたい。これまで空港周辺の施設の容量には限界があると政府は説明してきたが、いま公共交通機関も非常に経営が厳しいことも考慮し、バス、タクシーを利用し、もう少し空港周辺の範囲を広げて、対象宿泊施設も増やし、受け入れる人数も徐々に拡大していくことが考えられると思う。やはり大前提は3日や6日ではなく「10日間、3回検査」を徹底すること。入国管理の厳格化を改めて強く訴えたい。
 ワクチン接種については、わが党で法案提出をしたいと考えている。薬剤師やその他の業種を含めて、政府の中で必要性を改めて検討し、必要であれば打ち手、問診に従事をする方の対象拡大で加速化させていきたい。
 もちろん検査のさらなる拡充、保健所の体制強化も行なう。医療従事者等慰労金については昨年1回支払われただけで、新たに従事している方々には慰労金がないということを解決しなくてはいけない。そして、看護師、医師等、新型コロナ対応に従事する方が足りないということなので、特別な給付金を出せないかと、法案を検討中だ。

2.暮らしを守る 6兆円

 われわれが既に法案を出している特別給付金の予算は2.7兆円で、家計の急変者と住民税非課税の人、合わせて2,700万人を想定しており、この給付を速やかに行なうということ。政府も取り組んでいるが、ひとり親や低所得の子育て世帯、ふたり親も含めてその給付金の支給する。この『子どもの貧困』給付金は、国会が閉じると、給付に隙間ができてしまうので、改めて再度実施するということで予算を計上している。
 失業手当の拡大や大学生への支援、奨学金の返還免除等を入れている。

3.事業を守る 18兆円

 金額が大きいところは持続化給付金、家賃支援金の再開。われわれとしては、幅広く業種を問わず支援ができるこの2つの支援策は、とくに緊急時事態宣言、まん延防止等重点措置が延長されている状況において、改めて必要だと考えている。
 いま問題になっているのは協力金、休業支援金の支払いの遅れ。これについて予算をしっかり計上し、地方に対する交付金も積み増して、手続き体制を強化する、事務を迅速化させる。そして協力金の支給を急がせるということについて予算を確保したい。
 無利子・無担保融資については、モラトリアム、融資枠の拡大についても考えていかなくてはいけない。融資枠の拡大については現行の政府案の1.5倍、無利子期間の1年延長を掲げていきたい。
 地域の公共交通、観光産業への給付金。文化芸術支援も4,000億円という枠を取って、相当傷んでいるので支援をしていきたい。
 雇用調整助成金は当然、9月末まで延長して、そのための予算を計上している。

 予算は総額33兆円で、基本的には国債の発行で賄っていくことになる。いま景気が冷え込むと税収も落ちるし、経済全体も縮小してしまう傾向にあるので、こういう時こそ国民生活をしっかり支えて、回復軌道に乗せていく。
 われわれが繰り返し言ってきたzeroコロナ政策をいま、政府がようやく採用し始めたと認識している。この緊急事態宣言の延長についても、従来の菅政権にはなかった選択が続いている。だからこそ、そこに必要なのは経済的な支援であって、支援無きままの延長が最も厳しいし環境を国民に強いるものだと思う。改めて支援がセットとなった宣言の延長を考えていかなければいけない。
 政府が緊急事態宣言を6月20日に解除する可能性もあるが、オリンピックのことを考えると引き続き何らかの国民に対する制約を課すつもりではないのかなと想定されるので、やはり緊急事態が解除されたから支援策が必要ではなくなったというものではないのだろうと思う。
 そうしたことを含めて、この「日本を守る予算」を提案し、その必要性を政府、国民の皆さんに訴えていきたい。

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https://cdp-japan.jp/news/20210608_1496