「学校再開をすることに、どういった根拠があり再開をするのか、まったく明らかになっていない」福山幹事長

 福山哲郎幹事長は24日、定例の記者会見を国会内で開き、(1)河井安里参院議員の秘書が起訴されたこと(2)山尾志桜里議員の離党届の取り扱い(3)文部科学大臣から学校再開のガイドラインが発表されたこと――について発言がありました。

 河井安里参院議員の秘書二人起訴され、百日裁判に至ったことについて「非常に遺憾に思っております。こうした事態が生じてることについて自民党に強く猛省を促したい」と語りました。
 また、政治倫理審査会(政倫審)等に出て、百日裁判を申し立てされている事実関係ついて本人から説明があってしかるべきだと述べるとともに、自民党の候補者であったという責任上、「政倫審を開き説明責任を果たすよう自民党にもしっかりとやってもらいたい」と語りました。

 山尾志桜里議員の離党届の取り扱いについては、本日の常任幹事会で離党を認め、党として政務調査会長代理、憲法調査会事務局長の職から外れること、会派として法務委員会理事から外れ憲法審査会の委員は引き続き務めることとなったと報告しました。

 学校再開のガイドライン発表については、(1)専門家会議は特に都市部での感染者が現在増えていることに対して警鐘を鳴らしていること(2)今後のオーバーシュートの可能性についても言及をされていること(3)学校一斉休校を発表した時と比べ状況は好転していることはなく、持ちこたえながら徐々に感染者が増えている状況だと実質的に安倍総理が認めていること――を挙げ、「この状況で学校再開をすることについて、どういった根拠があり再開をするのか、昨日(の質疑)も今日のガイドラインを見ても、まったく明らかになっていない」と語りました。
 また、どのような形で子どもたちを守るのか、再開の可否についても基本的にはそれぞれの自治体に判断を委ねられている状況だと指摘しました。

 主な質問とその回答(要旨)は次のとおりです。

■東京オリンピック・パラリンピックについて

Q:新型コロナウイルスに関連し、この数日間、オリンピックの延期論の声があがっている。この問題をどのように捉えているか

 総理が国会の場で延期を言及されたということは、延期の流れは、まさしく加速をせざるを得ないし、国際社会からもそういう声が一斉に上がってきている。
 延期を決めるならば、できるだけ早く決めて次の具体的な延期後の状況について対応をしたほうがいい。アスリートや開催に向けて準備にあたっている方々の今後の対応もあると思うので、決めるならなるべく早く延期を発表できるような環境を日本政府には努力をいただきたい。
 もちろんIOCが最終決定権者であることは理解していますし、世界の競技機関、各国、スポンサー、放映権の問題、多くの調整事項があるので、大変なご苦労だとは思いますが、政府にはいち早く延期を決めていただくご努力をいただきたい。

■山尾議員の離党について

Q:共同会派の中にはとどまるということでよいか

 本人は共同会派の中に留まりたいという意向を離党届を出されたその日、それから次の日に安住国対委員長にも意向表明があり、そのことも含めて検討し、今日のような状況になりました。留まります。

Q:山尾議員は会派に残ることについて条件をつけたか

 会派で意思決定をした、法案の賛否等については意向に従っていただく。部会等に参加いただけるわけですから、参加をしていただいた上で、意思決定には従っていただけるという前提だと理解している。

Q:山尾議員は憲法問題などで質問ができると思うが、そういったことをしないでくれという条件はつけたのか

つけていません。

Q:慰留したものの結果として離党になった結果についてと、風通しが良くない組織文化があったなどの批判の声があがったことについて、どのように受け止めているか

 わが党にとっても必要不可欠な方だと今も思っていますし、議会にとっても非常に重要な役割をこれまでもこれからもしていただける方だと思っていたので、党を離れる決意をされた事については率直に言って非常に残念。
 政党の運営は全員が100点満点だと言う政党運営はなかなか難しいと思うが、なるべく風通しの良いように努力をしている。ただその事について至らなかったことは幹事長の立場で受け止めなければいけない。

■代表選規則について

Q:代表選規則について常任幹事会でどのような意見が出たか。また概ね了解をいただいたということだが、今後の党内の進め方については

 今日はほとんど意見も出ず、地方議員のポイントの割合や、地方議員の参加について若干質問がありました。それ以外は大きな異論はなく、党内の議論に付すことを認めていただいた。
 今後、両院議員懇談会を開催し、また都道府県連、総支部長、国会議員に骨子案を送付し意見聴取をしていく。返ってきた意見を反映した上で、時期によりますが元々の活動計画にある今月中にそれをまとめ、さらに意思決定ができる状況を作りたい。
 それぞれの意見聴取の状況も見ながら、なるべく今月中に決めたい。

Q:策定まで2年半近くかかったのは遅いのではないか

 遅いと言われる批判については、一手に幹事長の私が受けなければいけない。
 最初の時点では参院議員も私一人しかいなくて、地方議員もほとんどいない状況でスタートしたので、代表選挙規則を作るそもそものベースがない中でスタートしている。
 この2年半の動きは、国会議員、自治体議員、パートナーズ、そして党員。立憲民主党にコミットされるメンバーが徐々に固まり、政党としての形を作り上げてきたプロセスの中で代表選挙ができるだけの陣容が揃ってきた。
 もっと言えば代表選挙ができるだけの陣容に国民の皆さんにしていただいた結果、この時期になったということで、遅いというご批判をいただきますが、ご理解をいただければ。

■森友学園問題について

Q:今日の参院財務委員会で安倍総理が、森友学園問題で自殺された職員の奥様から謝罪を求められ、それに対して「大変申し訳ない思いである」との発言があったが、評価を

 申し訳ないと思うのであれば再調査をしていただければいいことであり、何について申し訳ないのかまったく分かりません。

■れいわ新選組の新型コロナウイルス対策 政府・与野党連絡協議会への参加について

Q:明日も予定されている政府・与野党連絡協議会で、れいわ新選組が引き続き参加できない場合、どういう対応をとられるのか。安住国対委員長からは、自民党側から線引が必要だということで、ペーパーでの参加で折り合ったという説明は聞いていますが、これは明らかに差別的な対応で排除の論理を受け入れたような形に傍目からみると見えるが、こうした野党分断工作に乗っかったことに対してどういった対応をするか、出席を一時的にボイコットするなど、どういう態度で臨まれるか

 わが党の議員は、実際にれいわの議員の皆さんの所に行き、対応についての協議を何度も重ねたが、結果としては自民党は受け入れないと、二人会派の政党と会派がたくさんあるのでダメだということになったと聞いておりますが、われわれが排除したというような言い方は非常に遺憾。
 本当に時間をかけ、うちの議員がコミュニケーションを重ねたという報告を聞いておりますので、表現の仕方については、ご留意いただきたい。
 実体として協議会に参加しにくい状況かもしれませんが、ボイコットすることは、コロナの対策を二の次におくことになり、現実の問題としては厳しい。
 だからこそ自民党が拒否している段階ですが、書面を持って真摯に伝えると。自民党側には結果についてもれいわ側に説明をしろと安住国対委員長から申し入れしていることも聞いておりますので、そのことはご理解をいただきたい。

Q:誤解を与えた質問だったかもしれませんが、排除の論理を持ち込んだのは自民党側で、それを受け入れたのが問題ではないかという視点で質問させていただきました

 NHK、社民党、いろいろなところがあり、全部ひっくるめてやるべきだったとおっしゃるのですか。それも一つの考え方だと思いますが、それで自民党が受け入れなかったわけですから、その分、書面で対応させていただくことで、わが党の議員は本当に努力いただいたと報告を聞いています。100点満点ではなかったかもしれませんが、そこはご理解をいただきたい。

■衆院静岡4区補選について

Q:野党統一候補と言っていますが、れいわ新選組が入っていないことで野党統一候補という名称はいいのか

 私からご紹介をしていいのかどうか、ちょっとためらうのですが、ご質問いただいたので、あえて申し上げると、実はこの間の共同記者会見の時に、ご質問があるかと思ったのですがなかったので、市民連合からはお答えをいただかなかったのですが、各党で田中候補に統一する調整をしている時に、れいわも一緒に共同記者会見も含めて、乗っていただけないかという意向の確認を市民連合からさせていただいたということです。
 記者会見の前にれいわから市民連合に、その場にも行けないし、静岡4区での野党共闘として乗ることをお断りする返事があったと市民連合から報告をいただいています。
 今ご質問があったので事実関係だけ申し上げました。市民連合の中央の方にご確認をいただければと思います。

Q:れいわから共闘に乗れない理由の説明はあったのか

 13項目の案、実現したいという元々の共通文書の中で、消費税について5%の言及がないから乗れないというお話があったということです。

 

https://cdp-japan.jp/news/20200325_2760

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