蓮舫参院議員は6月19日、東京都内の日本記者クラブで行われた「東京都知事選挙立候補予定者共同記者会見」に臨み、代表記者や会場からの質問に答えるとともに候補予定者間で質疑応答を行いました。

 冒頭で日本記者クラブ側の求めに従い「私が実現する政策」について発言し、「『若者の手取りを徹底して増やす』そして『東京都をガラス張りにする』のこの2点です」と表明しました。

 若い人たちは残念ながら貧困から抜け出せない方や、奨学金の負担に苦しむ方、雇用の不安を抱えている方などがいるとして、これらを徹底的に取り除くことが重要だと述べ、「若者が元気になれば、今まで諦めていたことを諦めないですむようになる。そして自分の人生を選んでいくことができるようになる。それは結果として税収、社会保険料の増につながり、シニアを支えていくことになる。持続可能な東京都をつくりたい」と語りました。

 「私の専門分野の行政改革。東京都の行革を進める。小池都知事が進めてくれたデジタル化、さらにその先へ都の財政に東京版行政事業レビューシートを導入する」とも述べ、都の事業に関して「どこで誰がいつどのように使ったのか、契約はどんな在り方なのかもしっかりと公表する」との考えを示しました。「納めた税金が何に使われているのか、もしそこで果実が出たら躊躇なく若者に、現役世代に、シニアに振り分けていきたい」と語りました。

 国の合計特殊出生率が1.20で過去最低となり、東京都は1を下回ったことに関して、記者から、小池現知事下で進めてきた少子化対策はある意味失敗だったのではないか、蓮舫さんの公約は若干小池さんとは違うところに力点を置かれているように受け止めていると前置きがあった上で、少子化対策はどこに政策目標をおくのかを問われました。蓮舫参院議員は、「長い間、与党の、自民・公明両党の政策を見てきたが、ある意味いろんなメニューは用意されている。小池都知事も頑張られて無痛分娩という細やかなところにまで気配りをされている。いろんなメニューはあるけれども、どうして少子化が進んでいるかというと、実は非婚化が進んでいるからだと思う」との考えを示しました。

 「なぜ非婚なのか、望んで結婚しないのか、望んでいるのに結婚できないのか。後者の若者、貧困の若者が増えている。地方から東京に来られて、基礎支出が東京は高いので手取りがぐっと減る。奨学金(支払い)の負担もある場合にはもっと使えるお金がなくなる。結婚できない、子どもも持てないという状況になる」と分析。そのうえで未来に希望が持てる社会をつくることが重要だとして「今から10年かけてでも、今の子どもたちが社会に出ていく時に不安と負担のない東京都を作ることが長い目で見た少子化対策だ」と語りました。

 「原発の利用についてイエスかノーかでお答えください」との問いに蓮舫参院議員は、「原発の利用は、イエス・ノーで答えられるような問題ではない。国の政策と都の政策は当然影響し合うものだと思うので、原発を動かしていくのかどうなのか、主要電源にしていくのかどうなのか、都としてはどうなのか、その部分で再生可能エネルギーを私は徹底的に進めていきたい」と述べました。

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 神宮外苑の再開発についての質問に対しては「一旦立ち止まる。私はこの都知事選の争点にしている。やはり国民・都民の声をしっかり聞いていきたい。すでになされた環境アセスメント、再開発の前提となっている公園まちづくり制度、これをもう一度厳格に検証していきたい」と述べました。

 締めの発言を求められて蓮舫参院議員は「非常に有意義だった」と振り返り、そのうえで都政に対して「あらためて違うアプローチをしていく」と述べ、「少子化対策として若い人たちを徹底的に時間をかけて長期的な視点で支援をし、若い人たちが何かをあきらめないですむ、自分で人生を選ぶことができる、そういう東京を作らなければいけないという思いを今新たにしている」「それと行政改革。もっともっと東京の財政の中身は明らかにすることができる。透明にすることができる。そのことによって信頼できる政策を作って、そこにビジネスチャンスを生みたいと改めて強く思った」と表明。そのうえで「若者の手取りを増やす、ガラス張りの都政を作る、私はそういう知事になりたい」と締めくくりました。