立憲民主党など野党は9月7日、「旧統一教会問題」に関する「国対ヒアリング」を実施。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」の鈴木エイト氏・藤倉善郎氏よりヒアリングを行いました。
冒頭、党「旧統一教会被害対策本部」の西村智奈美本部長は、「旧統一教会の被害救済をこの機に、国会全体の責任としてやっていかなければならない」と述べました。他方、自民党が実施している「点検」については、「調査ではなく、アンケートで、自己申告だとして(自民党の)茂木幹事長は、何回も予防線を張っている」と指摘し、「これでは国会としての責任は果たせない」と述べました。
その後、鈴木エイト氏より「2009年の統一教会のコンプライアンス宣言後に発覚した献金収奪の事例」について説明を受けました。鈴木氏は入手した内部文書をもとに収奪事例を紹介しつつ、「コンプライアンス宣言」の実態は、「いかにして被害者、脱会者からの返金請求に、お金を返さなくていいか知恵を絞ったもの」であり、「社会通念上に言うコンプライアンスでも何でもない」と強調。さらに、「それまでの霊感商法、物品の引き換えにお金を払うという消費者契約の形」から、「献金したら経典を授ける」など「巧妙なやり口に変わってきている」と指摘し、「献金収奪は現在も継続している」と強調しました。
また出席した議員から「自民党の点検アンケート」について問われた鈴木氏は、茂木幹事長が党として組織的な関係はないとし、アンケートを8項目に限っていることは、「それ以外は書くな」ということであり、「本来は備考欄を設ける」などしなければ「調査とは言えない」と指摘しました。
続いて、藤倉善郎氏より「統一教会問題対策のあり方」について説明を受けました。藤倉氏も2009年以降の勧誘手法について、「統一教会であることを言わない。別団体(ダミー団体)を名乗る、宗教であることを明かさない、『宗教ではない』とまで言うケースもある」と紹介。その上で、そもそも「統一教会は宗教法人の認証を、国による品質の保証と誤認させる方法で勧誘をしてきた」ため、「宗教法人の解散命令が必要」と述べました。同時に、「偽装勧誘をしているため宗教法人の解散命令だけでは団体は消滅しない」と述べ、「被害救済・防止の仕組みとして別途、フランスの反カルト法のように行為を規制しなければ、新たな被害の発生を抑制できない」と指摘しました。また、「宗教二世」の問題については、「虐待、DV、貧困と重なる問題」であり現行制度を活用するとともに、自治体によって対応が異なることもあるため、「児童相談所などがしり込みしないよう全国共通のガイドライン」が必要と述べました。