枝野幸男代表は29日、自民党の新総裁に岸田文雄衆院議員が選出されたことを受け、記者団の取材に応じました。岸田新総裁に祝意を述べた上で、4日召集の臨時国会で第100代の総理大臣に選ばれる見通しであることから「新しい政府として、しっかりと説明責任を果たしてもらいたい。国会論戦の中で、どういう政権を作り、どういう社会を目指すのかを国民の前で互いにぶつけあいたい」と呼びかけました。
記者団から岸田氏が掲げた「新自由主義からの脱却」など、一部の政策が立憲民主党と重なるのではないか、どのように総選挙に臨むのかなどの質問がありました。これに対して枝野代表は、「新総裁として、安倍・菅政権と何がどう違うのか、説明してもらうことが最初だ。残念ながら、ここまで見ていると『自民党は変わらない』『自民党は変われない』ことを示した新総裁の選出だと思う。まずは安倍・菅政権の何を否定するのか。特に国民生活を疲弊し、結果的に株価だけで経済を低迷させてきたアベノミクスを否定するのか、それともこれを肯定するのか。そのことについて明確に示してもらうことが必要だ」と述べました。
来たる総選挙で立憲民主党が何を重点的にアピールするのかと問われて枝野代表は、「1つには、これまで(コロナ対策で)失敗を積み重ねて、たくさんの命が失われ、しかも自宅で放置されて失われている方までいる。そして多くの事業者が事業を続けられず、支援を受けられずにどんどん廃業を余儀なくされている。こうしたコロナ対策をどう転換するのか。そして第6波にどう備えていくのか。これが1つの大きなポイント」「2つ目には、株価を上げただけで国民生活を豊かにしないどころか、潜在成長力まで落としてしまったアベノミクスの失敗をどう転換するのか」「3つ目は、森友、加計、桜を見る会に代表される隠ぺい、改ざんをどう情報公開するのか。そうした体質改善が図られるのかどうか。この3点で戦っていきたい」との考えを示しました。