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枝野幸男代表は17日午後、国会内で記者からの取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q.今日、自民総裁選の候補者が演説や所信表明をした。主張にかなり幅があり、選択的夫婦別姓もあれば、プライマリーバランスの凍結と言っている候補もいた。ウイングの広さが見えてきているような気がするが、代表にはどう映っているか
他党のコップの中の話に直接はコメントいたしません。しかし面白いことに、野党の場合はちょっと違った意見があると「バラバラ」、自民党の場合は「幅が広い」とおっしゃるのは、いつも意味が分からないなと思っています。
いま問われているのは、それぞれの皆さんが個人でどう考えているのかではなく、党首になったときに党をそれでまとめるのかどうか。「自分はそう思っている」なんていう意見は何の意味もない。私も党の代表ですが、一般的な意味では、私が個人でどう思っているかは、埼玉5区の有権者以外には何の意味もないと思います。党の代表として、党の方針をどうするか、どうできるかが党首には問われているのであって、「あなたは賛成ですか」「反対ですか」と、全く意味のないことを皆さん聞いていらっしゃるし、報道されている。ぜひしっかりと「党をそれでまとめられるんですね」「まとめられるんですか」、そのことをちゃんと報道していただきたい。これは繰り返し申し上げていきたいと思います。
Q.自民党のウイングの広さみたいなものに期待する有権者もいる中で、総選挙に向けてどういう戦略を持って野党第一党として訴えていくのが有効か
戦略は相手のある事ですので、「皆さんの前でお話しすることではないですよね」ということは、いつも申し上げているとおりです。どう訴えるべきかについては、今日のこの会見も含めて、わが党の候補予定者、議員には全部、事実上の全文起こしに近い形を送っています。当然読んで参考にして、自分でそれを咀嚼(そしゃく)して参考にできなければ選挙にならないと思っていますので、それぞれがちゃんと活かすことを期待しています。
Q.総裁選で4人が出馬し、このうちだれかが総理になると思うと、一定の期待感、ワクワク度、期待感を有権者に与えることになる。これ対して立憲民主党は期待感をどう示していくか
それも選挙に向けての戦略ですよね。「こういう戦略でやるから期待感が高まるでしょう」なんて事前に言ったら、期待感は高まらない。そういう性格のものですね。あえて申し上げれば、4人は個人としては違う意見をお持ちのようですから、その違う意見をどうまとめるのかがこれから2週間弱、自民党の中で問われてるのではないでしょうか。勝たれた方はその後も問われるのではないでしょうか。逆に言うと、違った意見を言っている方、新しく選ばれる方と違う意見の方に期待している方は、中途半端に期待を煽られた中で、「やっぱり自民党ではだめだった」ということになる可能性もあります。そうしたものはあまり気にしないで、相手の動きは気にしないでやることが、あえて言えば、皆さんに申し上げられる基本中の基本の戦略だと思います。
Q.自民党総裁選ではロックダウンの制度の必要性の議論がされている。ロックダウンの制度設計の必要性についてはどのようにお考えか。ロックダウンは人によってイメージが違うが、あるべきロックダウンの形については
ロックダウンとは何をもってロックダウンと仰っているのか。大前提として、現行の特措法でできることの権限の、あえて申し上げれば2割か3割しか使っていません。個人のさまざまな活動を制約させていただくことは現行法でもできることが山ほどあります。それをやっていないのに、その先の議論をするのは、現実逃避だと私は思います。
私は実際に東日本大震災と原発事故時に、特に原子力災害特別措置法でできる行動制約の限界まで、私自身が判断して実際にお願いをしました。したがって必要があれば、少なくとも現行法のまだ2割か3割しか使われていない権限を最大限に使う。必要に応じて使うことを皆さんにお約束します。
Q.自民党総裁選の報道が増え、代表がわれわれの前に出ることが格段に増えた。自身で手ごたえや今までと違うものがあるか
選挙が近くなれば、国民の皆さんの関心も高まるし、皆さんに報道していただける余地も大きくなると思っていましたので、想定どおりです。想定とちょっと違うことがあるとすれば、こうした発信よりも、東京で街頭演説を何カ所か回った時に、思った以上に有権者が選挙の本番に近い空気、体感になっていることです。
Q.立憲民主党がコロナ関係のヒアリングをしているその裏で、与党は総裁選の演説会をしていた。与党の総裁選とコロナ禍取り組む姿勢について
あえて申し上げれば、1回くらいそういったことがあってもいいと思うのですが、時間はこんなにたっぷりある中でやっているわけですから、なぜ国会を開かないのかと。今朝申し上げた、子どもに関わるところでいえば、文部科学委員会は開かれていない、閉会中審査すら。ワクチンの話、学校の話、保育所の話、そして医療そのものの話。やはり厚生労働大臣、ワクチン大臣、文部科学大臣、こうした皆さんが一堂に揃って質疑をしないと、本格な議論ができない。このことを一切やらないで、こんなに長きにわたって内部のことだけをなさっているのには強い違和感というか不信を覚えざるを得ません。おそらく多くの有権者のみなさんも同じ感覚をすでにお持ちのはずだと受け止めています。