衆院内閣委員会で14日、閉会中審査がおこなわれ、「立憲民主・無所属」会派から後藤祐一議員が質疑に立ちました。

■酒類の取引停止について

 政府が酒類提供停止に応じない飲食店に対し、取引金融機関から働きかけるよう要請をおこなった件について、後藤議員は西村経済再生担当大臣に「基本的対処方針に根拠があるのか。また、法律上の根拠があるのか」厳しくただしました。西村大臣は特措法に基づく要請ではなかったと述べ、「あくまでも一般的なお願いである」という答弁を繰り返しました。
 後藤議員はこれまで2回おこなった特措法改正の際に付された附帯決議の「緊急事態宣言でもまん延防止等重点措置でも国民の自由と権利の制限は必要最小限のものとする」ことが守られているいるか確認し、西村大臣に「『営業の自由』などの基本的人権を尊重する『法律による行政』と『憲法に基づく行政』を守ってほしい」と述べ、特措法に基づかない施策を発出した菅政権の姿勢を厳しく非難しました。

 また、後藤議員は「これまでの対策も厳しかったが、今回は与党議員からもおかしいという声があった。オリンピック期間中にデルタ株の感染拡大を防止するために厳しい措置を出さざるをえなかったのではないか」と述べ、反省の弁を述べた西村大臣に対し「これからは現場の声を聞いて、アクセルとブレーキをかけながら進めていただきたい」強く要請しました。

■熱海土砂災害について

 後藤議員は、3日に静岡県熱海市の伊豆山地区で起きた大規模な土砂災害について、被害にあわれた方へのお悔みとお見舞いを述べました。
被害の原因について「静岡県土採取等規制条例に基づく2009年12月の採取等変更届においては盛土量36, 641平方メートルとされているが、国土地理院の航空レーザー測量によれば、2009年6月から2019年12月の聞で土量は56,000平方メートル増加している。実際の盛土量は届出どおりであったのか。届出量より20,000平方メートルほど追加で盛土されていたのではないか」と 朝日国土交通大臣政務官にただしました。
 朝日政務官は「人的に盛土が行われた状況について静岡県で調査中」と述べ、熱海市から土地所有者に工事中止を発動していたと説明しました。

 後藤議員は「土採取条令は、措置命令や停止命令違反などの最も重い罰則でも20万円以下の罰金にすぎない。これで実効性が担保できるとは思えない。宅地造成以外も含めた、盛り土に対する法規制が必要ではないか。静岡県知事も改善が必要と認めているが、条例任せになっているのではないか」と述べ、朝日政務官に「国による 法律改正が必要。特に谷の盛土は原則禁止を打ち出した新しい法律改正をすべき」と提案しました。
 朝日政務官は「国交省と全国の盛土の総点検を調査し、関係各省庁と検討していく」と回答しました。後藤議員は全国各地の土砂災害を防止する法案提出のために、臨時国会の開会を求めました。

■ワクチン接種の供給について

 後藤議員は「7月から9月までファイザー社製ワクチンを各クール1万箱程度配送されるとのことだが、8月30日からの13クール以降の各市町村への配送箱数を7月7日に11/12クール分を示したよりも早い段階で示すべきではないか。一回示した量を少なくするのはやめていただきたい」と述べ、供給量を減らされた自治体から不安の声が上がっている状況に対応するよう河野ワクチン担当大臣に強く要請しました。

 河野大臣は「自治体のみなさんに次の基本枠を1割削減となることを承知していただいている。接種のスピードが早い、遅い地域を調整しながら、都道府県の中で再配分していただく」と説明しました。

 後藤議員は「自治体からすれば、ワクチン供給のリードタイムが短い。8月30日からの市町村への配送箱数を早めに知らせて、長いリードタイムで示すべきだ。ペースダウンするのであれば、市町村に早く示すべきだ」とあらためて要請しました。

■東京オリンピック・パラリンピックについて

 後藤議員は「オリンピック関係者が陽性になった場合、速やかに公表するのか」を丸川五輪大臣に確認しました。丸川大臣は「事前合宿中の感染状況は受け入れ自治体が発表し、内閣官房でまとめて午後7時に公表する。その他の感染者については組織委員会から毎日午前11時に発表する」と答弁しました。

 続いて後藤議員は「無観客決定した(競技の)チケットの所持者は、ホテルや交通機関のキャンセルをおこなっていると考えられるが、チケット所持者がキャンセル代を払わなければならない場合、主催者側や国などから何らかの補償をおこなうべきではないか。また、チケット所持者がキャンセル代を負担しない場合でも、ホテルや交通機関側に何らかの補償をおこなうべきではないか」と丸川大臣にただしました。丸川大臣は組織委員会が対応を決定すると回答しました。後藤議員は「無観客を早く決断していればキャンセル代がかからなかった」と開催直前まで無観客を決定しなかった5者協議の対応を非難しました。

 また、後藤議員は「7月11日のNHK日曜討論で武藤組織委員会事務総長は『収支が整わない』と発言しているが、どの程度の赤字となる見通しなのか」丸川大臣をただしました。
 丸川大臣は「組織委員会において、収入の精査、支出面の見直しをおこなっている。パラリンピックの観客数はオリンピック閉会後に決定する予定」と説明しました。

 後藤議員は「無観客の決定が遅れたことによって、キャンセル代が増えてきて、最後は国がお金を出さないといけなくなる。収支がどのように変化したか、明確に調べた上で国会での報告いただきたい」と要請し、質疑を終えました。

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https://cdp-japan.jp/news/20210714_1797