立憲民主党は5日、関東・東海太平洋岸梅雨前線大雨災害対策本部を国会内で開催し、3日に熱海市で発生した土石流をはじめとした被害状況と自治体・政府の対応について内閣府防災担当をはじめ、関係省庁からヒアリングをおこないました。

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 同災害対策本部長の枝野幸男代表は冒頭、梅雨の天候が続く中、現地での2次被害の危険性を指摘し、「静岡に限らず各地で今後も大雨が続くかもしれない。まずは人命救助が優先。そして感染症危機の中なので、避難されている皆さんの感染防止対策を含めて、普段以上に大変難しい状況になっている。われわれとしても、政府に届きにくい情報があれば、しっかり届けながら、万全の対応をできるようにしたい」と話し、静岡県連をはじめ、各地の議員と連携し対応していく考えを示しました。

 地元熱海市からオンラインで参加した渡辺周幹事長代行は、「未曾有の土石流災害で、まだ全容が把握できていない。15時15分に川勝平太知事とともに現場に行ってきたが、重機を入れて作業できるような場所ではなく、犠牲になられた方が何人いらっしゃるかすらも把握できていない」と報告しました。また、(1)すでに自衛隊、消防庁や他都県からの応援の自治体職員に来てもらっているが、さらなるマンパワーの補充(2)全国から救援物資が届き始めているが、熱海市の窓口が対応しきれなくなってきているので、必要に応じた、段階的な支援にする配慮(3)寸断されている国道135号線とビーチラインの開通に向けた復旧作業への支援(4)現在避難所として借り上げているホテル、旅館が夏休みの営業で使えなくなるので、ほかに借り上げられる公共施設等の提供(5)水害で身分証明書等をなくされた方に対し、生活再建に必要な各種行政手続での例外措置、猶予の適用――を要請しました。

 熱海市の橋本一美市議会議員は、「地元では人命救助最優先で、市職員、そして市民の方にもご協力いただいて夜を徹して救出作業にあたっている。コロナ禍の中、ワクチン接種を進めつつ、観光客を呼び戻す努力をしていた最中での災害ということで、大変痛手を被っている。生命線である道路が寸断され、箱根方面の土砂崩れのおそれがある方を迂回しているので、復旧にご尽力いただきたい」と要請しました。

 会議に参加した議員からは、(1)必要な救援物資の把握、情報発信(2)土石流が起きた場所でさらに災害が起きる可能性はあるか(3)土石流の現場の特異性、原因は特定できているのか(4)自治体の危険情報の発信が適切だったか(5)気象庁の大雨による災害発生の危険度分布指標「キキクル」は活用されたか(6)罹災証明の発行、救援物資の受け入れ作業などの自治体職員の応援の受け入れ状況――等について質問、提案があがりました。

 最後に枝野代表は、現場での2次被害が心配されること、日本海側でも大雨による被害が起こりかねないので引き続き警戒が必要だと指摘し、内閣防災に対して、現地の自治体に対し助言、指導を積極的におこなうよう要請しました。

 また、静岡県議会のふじのくに県民クラブ会派は、今回の豪雨災害を受けて(1)被害の全容を明らかにすること(2)交通、生活インフラの復旧を急ぎ、市町管理事業に必要な支援を講じること(3)コロナ禍に対応した避難所の運営、自宅で避難している住民へのライフラインの確保(4)災害廃棄物の処理に関する支援(5)流木による漁業や、観光業等への影響を把握し、必要な対策を講じること(6)河川の浚渫など事前防災の強化(7)ハザードマップの再点検やサイポスレーダーの周知促進など(8)熱海市の土石流に関する原因究明──の8項目の要望を川勝静岡県知事に提出したとの報告がありました。

資料1.pdf
資料2.pdf
豪雨災害に対する要望書.pdf

https://cdp-japan.jp/news/20210705_1753