泉健太政務調査会長は20日、国会内で定例の記者会見をおこないました。泉会長は、入管法改正案を政府が取り下げたこと、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染の広がり、1-3月期GDPの大幅な落ち込みなどについて語りました。
入管法改正案を政府が取り下げたことについて、「法案の課題が積み残されたままでの採決は、(名古屋入管施設で亡くなったスリランカ人女性の)ビデオの問題とあいまって、国民の納得を得られないと判断したと認識している」と述べました。一方で、「ビデオの問題や入管行政そのものが解決されたわけではない」と指摘。そのうえで、今後もビデオの開示や法務省による(亡くなった女性の経緯を調査した)最終報告書の速やかな公開を求めていく考えを示しました。
COVID-19の変異株の感染が広がっている状況を取り上げ、「陽性患者を一律に扱うことが本当に良いのかと言われている。そうしたことを気にしていくことも政府として検討していくべきだ」と指摘しました。さらには、早めに入国禁止の範囲を拡大すること、最大6日としている停留期間のさらなる延長、ステージ3、4の判断基準を変える必要があるのではないか政府に伝える意向を示しました。
1-3月期のGDPの落ち込みが年率換算マイナス5.1%となり戦後最悪の下げ幅となった事に触れ、「(緊急事態措置の)再宣言シナリオをこれ以上繰り返してはいけない」と早期の宣言解除で余計に経済が悪化することを懸念しました。立憲民主党がzeroコロナを掲げ、これ以上リバウンドを繰り返さない前提に立った対策を考えていることを紹介し、zeroコロナの実施を求めました。
東京オリンピック・パラリンピックの開催について、「われわれも開催できれば開催したい。これまでの政府の方針による宣言解除ならば、オリンピックの時期に再拡大する。それであれば事実上無理と言ってきた。しかし、政府が31日に宣言を解除せずに、その後も厳しい措置をとりながら感染状況を減らすことで開催時期のリバウンドは起きない。パラリンピックも含めて、そういう状態を作ることが不可能かというと不可能ではないと考えている。あとは政府がその戦略をとれるかだ」と述べました。今のような瀬戸際の状況を作ったのは菅政権の責任であると指摘し、ぎりぎりの対応をしないと開催の条件にはならないと強調しました。
COVID-19の高齢者に対するワクチン接種について、「7月末までの接種は無理であると各地から声が上がっている」と触れました。そのうえで、大規模接種を進める政府に対して、「地域接種を推進していくべき」と提案。医師会と地域の医療機関が連携して、打ち手を増やすだけでなくスタッフも雇用するのならば臨時交付金を積み増して、地域の医療接種体制の構築をさらに進めていくべきと求めました。
アスベスト被害を訴えた集団訴訟で、国の賠償責任を認める判決が出たことについては、「政府・与党が考えていることが真に全面救済なのか前向きに検討する」と述べました。
その他に、安全保障上重要な施設周辺の土地や建物を売買する際に事前に届出を義務付ける重要土地規制法案について、立憲民主党の案を今日の政調審議会に諮ることを報告しました。
https://cdp-japan.jp/news/20210520_1391