党ジェンダー平等推進本部は9日、若い世代の労働問題に取り組むNPO法人POSSE(ポッセ)から国会内でヒアリングをおこない、コロナ禍で深刻となっている長期の休業や解雇などの問題が女性労働者に及ぼしている影響について聞きました。
冒頭、同本部長の大河原雅子衆院議員は、「コロナ禍で日本のジェンダー不平等が浮き彫りとなった。女性たちの声を聞き、寄り添い、ふさわしい制度を作っていく大きな機会だ。コロナ後を見据え、ジェンダー平等社会をつくっていきたい」とあいさつしました。
POSSE代表の今野晴貴さんによると、昨年春以降、女性からの相談が6割にのぼり、中でも非正規雇用の女性からの相談が多くなっているということです。POSSEは労働相談や生活相談を受けるだけでなく、総合サポートユニオンとNHKと共同で、新型コロナウイルス感染症発生初期に相談を受けた女性たちの「その後」について追跡調査を行い、昨年末に「女性の働き方・生活へのコロナ影響調査報告書(中間報告)」を公表しています。
追跡調査は、主に3つのポイント「業種や雇用形態」「家族関係やケア労働の状況」「制度利用の状況」について行われました。
サービス業に従事している非正規女性は、そもそも賃金が低いために休業補償では生活できない人が多く、休業補償も保証されていない人が多いといいます。2008年のリーマンショック後には雇用の受け皿となったサービス業が今回は大きな打撃を受けており、特に高齢女性が仕事に就けない状況が広がっていると指摘されました。
また、コロナ禍でコールセンター業務の需要が伸びたものの、その多くが女性の非正規雇用、3密で感染対策がなされていない就労環境が多いなどの問題があるとのこと。一斉休校や在宅ワークの広がりにより、女性のケア労働の負担が増大しており、そのことにより家族関係が悪化するなどの傾向もみてとれるといいます。制度利用の状況については、コロナ禍で各種制度が新設・拡充されたものの、非正規女性には届いていない実態が報告されました。
報告を受けたのち、本部長代行の徳永エリ参院議員、顧問の西村智奈美衆院議員、事務局次長の田島麻衣子参院議員が質問をし、活発な議論が交わされました。POSSEからは「ある程度の権利意識のある人が相談に来るが、職場で声を上げるとクビになったりシフトを減らされたりしている。権利主張はほかの誰かを救うのです。声を上げた人をバックアップすると政治の側から発信してほしい」と要望がありました。
コロナ禍が女性労働者に及ぼしている影響についてNPOからヒアリング ジェンダー平等推進本部 – 立憲民主党 (cdp-japan.jp)