2次補正審議入り「スピードが遅く、事務委託は不透明、10兆円予備費は財政民主主義や説明責任の観点から問題。国会延長すべき」逢坂政調会長

逢坂誠二政務調査会長は8日午後、令和2(2020)年度第2次補正予算が審議入りしたことを受け、記者団の取材に応じました。

 逢坂政調会長は冒頭、今回の予算案について、政府・与野党連絡協議会や与党政調会長との会談などで要請している項目が盛り込まれていることについて、一定の評価をするものの、国民の命と暮らしを守る観点から十分な内容とは言えないと指摘。今後、必要に応じて次の補正予算が必要になるとの見解を示しました。

 問題点として、まずスピードが遅いことを挙げ、家賃対策や雇用調整助成金の上限引き上げなどは、野党が1次補正の前から要求していたもので、本来であれば1次補正の段階で実現できたと指摘。さらに持続化給付金は2週間で入金される予定がいまだにされていなかったり、雇用調整助成金のオンライン申請でトラブルが発生しているなど、事務手続きのスピードも極めて遅いことを問題視しました。

 また、事務委託が不透明なことについても言及。受託会社選定の経過や委託内容などがまったく不透明だと指摘。「事業終了後に精算を行い、必要となった経費のみを支払う」との政府の説明に対し、「当たり前の話」「いまの時点でその内容が説明できていないのは、まったく理解しがたい」と批判しました。

 さらに10兆円の予備費ついて、立憲民主党などの強い要求で、5兆円については使いみちが明らかになったものの全体として予備費が10兆円であることには変わりがないと話し、「予備費の使途について、政府にフリーハンドを与えることは、財政民主主義や国民の説明責任の観点から問題がある」と改めて指摘しました。

 第1次補正予算の予備費が使われている政府が配布した布マスク、いわゆるアベノマスクについて、当初は「国民の不安解消に少しでも資する」ようにと説明していたものが、5月28日の菅官房長官の会見では「次なる流行にも十分反応することができるように」と言いぶりが変化してると指摘。緊急性のあるものに予備費を使うということに一定の理解は示したものの、「意図や内容が二転三転していることもある。やはり予備費は、しっかりとした国会の監視が必要」「予備費の利用の際には、予算委員会などを開催し、しっかり議論をするのが前提」と述べました。

 そして、「この状況が歴史的緊急事態であることは政府・与党も、われわれも強く認識するところ」「歴史的緊急事態であるならば、あらゆる局面に対応できるよう国会は閉会することなく延長し、さまざまな事態に対応すべき」と述べ、会期延長について言及しました。

 記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:梶山大臣が持続化給付金の執行状況について検査を行う考えを示したことについて

 今頃、検証するというのは後手後手だということ。
 実際の給付は5月1日に始まってる。それからひと月以上も問題点、課題が指摘されていながら、今まで放置していた。今日は6月8日。問題点が指摘されてから40日近くが経過している。その中で検証、遅すぎる。
 それともう一つ、検証作業は大事だが、持続化給付金を待っている国民の皆さんがたくさんいる。そちらの作業を遅らせることはないように政府には強く要求したい。

Q:国会の延長について言及したが、野党全体の意向か

 他の野党の議論はまだ承知していないが、会派内の政調の議論としては、当然これは延長すべきという考え。

Q:政府のコロナ専門家会議の議事録について

 今の事態は歴史的緊急事態、平時よりも特に克明な記録を残す必要がある。それが政府としての当初の認識だったと思う。それをいまになって議事概要だけ、やっと発言者の名前を載せるなどというのは言語道断、論外。民主主義国家としてあり得ないこと。
 しかも、仄聞するところによると今回の専門家会議員の議論は、どちらかというと緊急事態宣言の解除に慎重だったのではないか。それをある種政治の判断で緊急事態宣言の解除をした。そういう経過がもしあるとするならば、より克明に誰がどういう根拠によって今回の判断をしたのかは残す必要がある。
 それは何も批判をされるという意味だけではなく、場合によっては評価される場合もある。
 専門家はそう言っていたが、経済やさまざまなことを考え、政治の判断として解除した、結果それは良かったと言われることもある。
 だから虚心坦懐に、政治の判断、あるいは専門家の言葉は残しておく必要がある。それが最終的なさまざまな政策の公平なジャッジメントに繋がっていく。

Q:次の補正予算が必要になるのではないかと言及されたが、延長された会期の中で次の補正予算は組むべきという意味か

 いまの事態は国会を閉じていられる状況だとは思えない。
 例えば持続化給付金も、われわれの言った通りやはりほぼ倍増するような額を積まなければならない。支給要件、50%収入減というのも、全国から厳しすぎる、本当に50%減るまで待ってたら商売が倒れる、そういう声もあるので、そういった観点から、持続化給付金の内容を拡充していく。
 あるいは学生の授業料についても、われわれが主張したほどの内容にはなっていない。給付が始まるので、国民の皆さんから、これではまったく対応できないという声が出ることも見越して、3次補正は必要になると思っている。
 組み換え動議を出すか出さないかは別にして、今回の補正について、ある一定程度の考え方は最終整理をしている段階。そこと比較して2次補正の中に盛り込まれていないものは次の補正ということになる。

Q:組み換え動議の進行状況と、出す出さないをいつ頃までには決めたいか

 最終的に補正の賛否は明日コロナの平場(の会議)をやるので、それを踏まえた上で。基本的には私に一任されているので、4人の政調会長で判断をすることになる。
 組み換えの動議という言葉が出たが、組み換えの案、考え方を持っているが、最終的にそれは動議として出すか出さないかは国対ともよく相談をする必要がある。
 内容については、できれば明日の午前中ぐらいまでに最終的に固めていきたいと思う。

Q:梶山大臣の発言に、今更すぎるとおっしゃいましたが、透明性を高めていくためにはどのようなことをしていくべきか

 通常、公的な契約事務は透明性高い。きちんとした指名のプロセスを経て、業者を選ぶにしても、それを記録に残し、なぜその業者が指名されたのか、なぜ選定業者になったのか。そういう記録、根拠を残しておけば、公的な契約は非常に透明性高い。当たり前のことをやればいいだけの話。
 いかに安倍政権が当たり前のことをやっていないか、ここが大問題。これまでの公文書の廃棄、隠蔽、捏造、改ざん、こういうことをやっていることがいかに異常かということ。だからこそ不透明。
 それを検証するというのは、私はどうかしてると思う。当たり前のことをやればいい、それだけの話。

https://cdp-japan.jp/news/20200608_3073

 

 

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