立憲民主党原発ゼロ法案の経過をいのち・未来・うべ会議で報告しました。
1月2日
骨子案発表。
基本方針を推進するため、「原発に依存しない社会を実現するための改革推進本部」を設置。廃炉や立地地域の雇用創出に国が責任を持つ、廃炉にする原発の国有化も選択肢。
1月10日
「ゼロ法案」をめぐり小泉純一郎元首相が顧問の「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が法案を発表。立憲は骨子案をもとに同連盟などと意見交換、市民参加型で法案をまとめていく。
https://blogs.yahoo.co.jp/kazusanosukekazusa/56059524.html
1月~2月 各地でタウンミーティング
1.27 千代田区
1.28 徳島 三好市
2.3 北海道 函館市、札幌市
2.4 岡山市
2.9 武蔵野市
2.10 名古屋市 滋賀県草津市
2.11 福島県郡山市
2.12 新潟市
2.13 千葉県鎌ケ谷市
3月20日
「原発ゼロ基本法案」公表。基本理念で「全ての原発を速やかに停止し廃止する」ことを掲げ、法施行から五年以内に全原発の廃炉を決定する目標も明記。
一月にまとめた法案骨子の段階では、原発の再稼働について、石油の輸入が途絶えるなど「原子力以外のエネルギー源を最大限活用しても、安定供給の確保に支障が生じる場合」と非常時に限定して例外的に認めることも盛り込んでいた。その後「非常時こそ原発の危険が高まるので現実的ではない」などと市民から意見が多く寄せられたため、例外規定は削除。
全原発廃止については、法案骨子で「速やかに」との表現にとどめていた手続きの進め方を具体化。「法施行後五年以内に全原発の運転を廃止」とし、廃炉を決定する期限を盛り込んだ。
原発ゼロへの道筋は、省エネの推進と再生可能エネルギーの拡大で2030年時点の電力需要を10年比で30%以上減らし、再生エネによる発電割合を40%以上とすることを明記。
国の責務、廃炉で経営悪化の際政府が「必要な支援をする」、電力会社も原発ゼロを受け入れやすい環境づくりを行う。原発立地自治体にも「雇用創出や地域経済の発展」に措置を講ずるとした。原発を廃炉にしても残る使用済み核燃料については「再処理は行わない」。
4月9日
立憲民主、共産、自由、社民の野党4党は9日、「原発ゼロ基本法案」を衆院に共同提出。。立憲は他の野党にも共同提案を呼びかけたが、希望、民進両党は同調しなかった。
ただ4党の議員に加え、民進系会派「無所属の会」で党籍を持たない菊田真紀子、黒岩宇洋両議員が同調した。
6月6日
「NPO法人地中熱利用促進協会」(笹田政克理事長)の総会後のレセプションに逢坂誠二党エネルギー調査会長が出席。
逢坂会長は、「民主党政権時に再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入や再生可能エネルギー導入の際の規制緩和・財政的支援を大胆に行い、水力を除く再生可能エネルギー導入量を2030年までに8倍にすることを閣議決定した。熱エネルギー、再生可能熱の利用の推進策がいまだ十分に整備されていない。速やかな原発ゼロには、再生可能エネルギーの最大限導入と、最大限の省エネルギーが必要で地中熱は、大幅な省エネルギーが可能な技術であり、全国各地で利用可能な地中熱利用のより一層の拡大を目指し、そのための『熱利用促進法案』を国会に提出する。また、地中熱についても『地中熱利用促進法案』の検討を皆さまと共に進めていく」。
6月8日
「『原発ゼロ基本法案』の国会審議を求める緊急集会」同法案提出賛成会派・議員(立憲民主、共産、社民、自由、無所属の賛成議員)主催、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟、原子力市民委員会の協力。国会内集会では、同法案を衆院に提出して以降、審議されないまま3カ月が経過することを受け、法案審議と一日も早い成立に向けての意志を確認した。
「これまでのように中央集権的な電力の配分ではなく、地域の皆さん自らの判断によって地域の資源を利活用してエネルギーを手にできる社会を作っていくことが、日本の、そして地域の活力を取り戻す大きな動きにつながると思っている。1日も早く成立をさせる。皆さん、ともに頑張りましょう」と呼びかけた。
党エネルギー調査会事務局長の山崎誠衆院議員は、これまで同法案の衆院経産委員会への付託、審議入りに反対していた国民民主、維新の2党が、このたび認める方向に至ったと現状を報告。
与党側は審議には応じるものの、短時間の審議で終わらせ否決、廃案にしようとする動きがあるとして、「仮にそうであったとしても、われわれは審議をしてもらおうと思う。これほど国民世論が『原発はダメだ』『原発には不安がある』と言っているのに、この法案を真正面から(与党が)否決するなら否決してもらい、それぞれの(議員の)地元、あるいは選挙で原発に対してネガティブな発言はできないことを明確にしてもらおうではないか」とけん制。
共産党の笠井亮政策委員長、社民党の吉川元幹事長、無所属の会の田嶋要衆院議員もあいさつし、同法案は国民が求めている内容だとして法案審議を強く求めていく決意を表明。
原自連の吉原毅会長や原子力市民委員会の満田夏花座長代理らもあいさつし、与党議員への働きかけや、マスメディア等を使って広く国民にアピールしていく必要性を強調。一般参加者からも、原発ゼロを求める強い思いが語られ、原発ゼロ実現に向けた気運を社会全体で盛り上げていくことを確認した。菅直人最高顧問は、採決は党議拘束を外し記名投票で行うよう求めていきたいと述べた。
6月9日
経産委員会へ付託決まる。但し、理事会にて日程調整の上。
6月13日
つながる本部にて、再生可能エネルギー推進の各団体と意見交換。
WWFジャパン、(1)再生可能エネルギーの冷遇(2)国・企業間で押し付け合う原子力リスク(3)石炭への依存(4)パリ協定の下で求められる気候変動目標の強化等の話。
気候ネットワーク東京事務局長、石炭火力発電所を巡る現状と課題について説明。(1)パリ協定の遵守(2)「脱石炭」の目標年を定める(3)エネルギー基本計画の抜本的見直し(4)石炭関連法(環境アセスメント法、省エネ法)の見直し(5)カーボンプライシングの導入(6)原発ゼロ基本法案に脱炭素社会に向けた視点を盛り込む等の提言・提案。
原子力資料情報室事務局長、(1)原子力を巡る世界の状況=原子力は市場経済では生き残れない(2)日本の原発コスト試算=原発・石炭の発電コストは高い(3)プルトニウム余剰問題=資源ではなく核拡散の問題等の話。
環境エネルギー政策研究所主席研究員は(1)自然エネルギー、省エネルギー、地域主導の「3本柱」へ(2)自然エネルギーを基幹エネルギーに位置づけインフラ整備。
CAN-Japan代表も。
意見交換の後、グリーン連合共同代表から(1)政府にだけ任せるのではなく、国会・議員としてこうした問題の解決を進めていただきたい(2)政策形成プロセスに市民が参加するシステムの構築(3)政策形成が仕事として与えられ政府が保証する制度へ(4)政党は日本をどういう国・社会にするかを示し、その中でエネルギー・環境についてのビジョンを掲げ、個々の政策を実践的に進めていただきたいと。
【現状と課題】
稼働中(予定) 9基
規制委員会が認可済み 5基
申請中 12基
申請していない 17基
廃炉 14基(2030年には25基になる?)
7基が再稼働ではなく、廃炉に向かっているというのが現実
従って政府新エネルギー基本計画の2030年原発20~22%などありえない(30基分くらいが必要)。
新電力への切り替え状況
中国地方は13万件
経済産業省認可法人が9日発表した2017年度末時点の電力契約の切り替え件数は全国で709万件だった。電力小売り全面自由化から2年が過ぎ、契約切り替え率は全体の1割超まで拡大。ガスとのセット販売など、新電力の参入は400社を超えている。関東地方が349万件と最多。次いで関西の148万件。
全国の契約切り替え率は約11%となった。比率は16年度の5%から約2倍に拡大した。
地域別の切り替え件数は、北海道が34万件、東北が27万件、中国が13万件。競争が激しくなった都市部から地方へと商圏を広げる事業者も増えていく可能性がある。
https://enechange.jp/articles/switch-after-2years#i
(新電力シェアとスイッチング率については、必ずしも一致しない)
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東電の値上げは熱料費の上昇が理由ではなく、債務超過でどうにもならないというのが本当のところ。東電は資産が14兆円ほどで、有利子負債は約9兆円。福島第一原発事故までは、借金を返済しながら社債を発行してやりくり。事故以降、銀行が金を貸さなくなり、社債も発行できない。借金ができなくなった。
原発を造るときに1基あたり、3千億~5千億円ほど設備投資がかかる。この借金(=設備投資)は、原発を稼働して返済していた。いまは原発を動かせないのに、借金は返さないといけない。維持管理費もかかる。つまり、稼働できない原発は、とんでもない不良債権。
だから、東電はなんとしても原発を動かしたい。古い原発ほど、「借金」はすでに返済済みだから利幅も大きい。だからこそ、運転期間を40年以上に延長しようとしている。
※週刊朝日2012年2月24日号
どうするか?
各NGOの脱原発・自然エネルギー100%シナリオ比較
グリーンピース ① 化石燃料および原子力エネルギーへの補助金を段階的に全て廃止
②「キャップ・アンド・トレード」排出量取引を通じて、エネルギー供給の外部費用(社会的・環 境的費用)を内部化
③エネルギーを消費するあらゆる製品、建物および車両には厳密な省エネ基準を義務づけ④ その他:送電網への接続の義務づけ、優先接続保証、自然エネルギーと省エネの研究開発予算の増額、熱電併給システムの法的拘束化。
WWF (骨子)
① 2050 年までに自然エネルギー 100%を完了する 2050 年までの自然エネルギーが エネルギー源全体(電力と燃料・熱) に占める割合の推移は、2008 年は 3.4%、2020 年は 20.0%、2030 年に は 49.6%、2040 年には 76.6%、そし て 2050 年に 100%とする。
②省エネルギーによって需要を大幅に絞り込む―2050年には 2008 年比48%低減
2008 年比での省エネルギー 達成目標(終エネルギー消費量削 減目標)は、2020 年に 20%、2030 年には 30%、2040 年には 40%の削 減、そして「2050 年にはエネルギー 需要は 2008 年比 48%以下とする」 こと、つまり省エネルギー努力によって需要を大幅に絞ることを出発点。高効率ヒート ポンプ、都市の緑化、鉄鋼リサイクルの進展、インバーター制御モーターの利用幅広く検討する ことによって現時点での技術を軸にしても達成可能であるとしている。